アイ手ープロジェクト : とくめいおえかき・かいへんえにっきを通して (特集 イアマスの子ども向けワークショップ : その実践と成果)
—The Handmade - Information Project Workshops : Anonymous Drawing and Diary Alteration
—The Handmade - Information Project Workshops : Anonymous Drawing and Diary Alteration
情報科学芸術大学院大学紀要 11 2020年3月発行(pp. 118-123.)
本稿は、造形の技法を使い、インターネット上のコミュニケーションの特性を小学生に体感的に教えるワークショップの実践研究をまとめたものである。2019年度、岐阜県大垣市の公共施設である大垣市情報工房と連携をし、「現代の情報のやりとりを手で使って考える遊び」を開発・実施する「アイ手ープロジェクト」を行った。インターネットで他者と関わることの危険性と、その創造性について子どもに教えるため、情報社会の現象をアナログな造形の共同制作に置き換えた2つのワークショップを考案した。《とくめいおえかき》は、インターネット上の「匿名な人との関わり」について、考えるため、見ず知らずの人と互いの姿が見えない状態で絵を描くワークショップである。参加者を2つのグループに分け別々に集合してもらい、大きな障子紙で出来たキャンバスを挟み、両側から同時に1つの絵を描く共同制作を行った。《かいへんえにっき》は、インターネット上の「発信した情報を改変する/されること」をテーマにした、他者が描いた絵日記の絵をコラージュして架空の絵日記を作るワークショップである。参加者が描いた絵日記をコピー機で印刷し、他者の絵を複製したり組み合わせたりする制作を行った。
